「桃ヶ池長屋のはじまり」
大阪阿倍野区桃ヶ池町に歴史を感じる四軒長屋があります。
その素敵な佇まいに惹かれて、現在はアトリエやお店をする私たちが移り住んできました。
この長屋は昭和4年に建てらたもの。
昭和初期としてはめずらしい通り庭のあるちょっと贅沢なつくり。
長屋前の道は、田辺から王子神社をつなぐ街道筋として栄え、商売をする人が多く住んでいたそうです。
お店として使うためにこの長屋の土間は広く、軒先も通常より奥行きがあります。
お客様が腰掛ける椅子を置いたり、商品を並べるためなのかもしれません。
今は現在の暮らしに合わせて、壁を塗りなおしたり、一部床をはり直したりしましたが、
柱や梁などの骨組みは当時のまま残っています。
長い時間を経た木の表情、キズや釘の跡、ちょっとゆがんだ昔の建具。
古くても、手をかけてやることで、味わい深く存在感のある建物。
この土地に暮らすたくさんの人たちを、戦前からずっと静かに見守ってきたこの長屋。
私たちは愛情をこめて「桃ヶ池長屋」と呼び名をつけました。
「そして、むすびの市へ」
古いものを大切にして今に活かすということ
暮らしのモノを大事に自分らしく過ごすということ
この長屋を通じて出逢えた人と人のつながり
それをカタチにしようと、2012年秋、
桃ヶ池長屋にて「秋むすび」というこだわり市を開催しました。
初めての市にも関わらず、たくさんの人に来ていただき、定期開催することになりました。
その後、同じ通り沿いにある長屋にもお店を始める人がうつり住み、みんなで一緒に「むすびの市」を行っています。
長屋のことを知ってもらったり、素敵な手作りのものや作り手に出会ったり。
新しい縁がむすばれて、つながって、またむすばれて。
この「むすびの市」が皆様にとっても、そんな時間になりますように。
桃ヶ池長屋・むすびの市委員会 一同